おそ松兄さんは計算と努力と研鑽のひとだった〜松野家麻雀おそ松兄さん無双の分析〜

2016.03.05 05:15|
本格的にここは一体なんのブログなんだ?という感じになってきていますが気にしない気にしない。

おそ松さん21話「麻雀」、後半で松野家麻雀が始まってからは、「オーラス知らずのおそ松」などという二つ名を完全に跳ね除け、圧倒的な強さを見せつけたおそ松兄さん。
そのおそ松兄さんの能力ってどういうものなんだ!!と気になったので、それを検証するためにとりあえず手牌を画像化して役を書き出し、点数はセリフで名言されているので見えないところは推測してみました。

……結果、ちゃんと場が連続していて、そして牌もちゃんと考えて描かれてるということがわかりました。無双モードのおそ松兄さんについては和了り方とともに順次見ていきます。
あと今回は用語やルールの説明をしていないので、わからない方はぐぐったりひとつ前の記事を見てみたりしてね!


一索三索五索六索七索南南ポン白横白白チー横七索五索六索ロン二索
5800が6100になっているので一本場、この前に一回和了ってることになるけど描写はここから。
混一色、白で30符3翻の一本場は5800の6100。

まず一本場。鳴いていてロン和了りなので、まあこれくらいなら「オーラス知らずのおそ松」と言われていたおそ松兄さんでもありえるかな、という感じのする和了りです。
※追記:あっでもこれちゃんと見たら567sで一盃口を狙える手牌になってる……綺麗に和了りたがるひとだったら、ここで鳴かずに一盃口を目指しちゃうんじゃないだろうか……けどいまのおそ松兄さんは親だから、連荘することに重きを置いて鳴いて早和了りするという判断をしたことがわかります。勝ち続けるところを弟たちに見せなければならないという意志を感じますね……

二萬二萬六萬六萬二筒二筒中三索三索九索九索北北ツモ中
3200オールは3400オールで10200。なのでこれが二本場。
七対子ドラドラで50符3翻の二本場は9600の10200。
すいません点数計算ミスってました……これはリーチ、門前ツモ、七対子で25符4翻、二本場は9600の10200ですね……

ただ次の二本場からもう明らかに事情が違う。なにしろ「絶好のテンパイ型なのにリーチをかけていない」!カラ松兄さんのナレーションによれば「カンチャンペンチャンはもちろん、単騎の即リーも厭わない」んじゃなかったの!?これ、リーチかけるかはそのひとの打ち方によると思うんですが、わたしは中が生牌でもリーチかけます……かけたくなる形です。七対子で字牌待ちなら、生牌でもリーチかけちゃうひとはいるだろう。なのに、テンパイ即リーのはずのおそ松兄さんがリーチをかけていない。なぜか。ドラが2枚あり、点数が高めだと確定しているからです。点数が高め→黙聴。もうこの時点でカラ松兄さんナレーションによるおそ松兄さん評は崩れています。頭を使って戦略を立てている!!押せ押せじゃない!!さらにツモ和了りしている!運が!彼に味方している!!
※追記:大っ変申し訳ありません!!点数計算ミスっていたので書き直しです!これ七対子を50符1翻じゃなくて25符2翻のルールでやってて、リーヅモ七対子の4翻で9600だね……というわけで、おそ松兄さんはここではリーチをかけています。しかし打ち筋は変わらないと思います。リーチをかけないと、出和了りで2400点。後にわたしが仮説を立てている、「おそ松兄さんのリーチ基準は3900前後」という通りの打ち方です。ドラドラではなかったので、よりリーチをかける基準がきっちりしている、そしてドラ頼みではなく、鋼の意志により強烈な引きを見せているということになった……

六萬七萬八萬九萬八筒八筒八筒發發發南南南ツモ:?
6000オールは6300オールで18900。三本場。
リーチ、門前ツモ、發、裏ドラ3の、50符6翻で跳満。
これ萬子の数字が全然読めないんだけど、ノベタンは確定。跳満いってることから裏ドラの南が乗ってて、緑の牌3枚は役牌だと思われる。

三本場。前局ではリーチをかけなかったおそ松兄さんが、今度はリーチをかけています。リーチかけずに出和了りだと2400の手。それでは低すぎる、そして場を見てノベタンになっている和了り牌が場に出るかツモれる確率が高いと予測したのでしょう。さらにここで注目すべきは、裏ドラが乗っていることです。頭を使っている!うえに!強運が!彼に!味方している!!!
※追記:前局でもリーチかけていましたね、申し訳ありません……ただこの後のリーチをかけずに和了った五本場、七本場を見るに、やはり3900未満、以上のあたりでリーチ基準を設けているのと、その基準がとても厳密であることがわかるかと思います……

二萬二萬六索七索八索一筒一筒二筒三筒四筒七筒八筒九筒ロン:?
1500は2700なのでこれが四本場。
リーチのみ、30符1翻の四本場は1500の2700。

ここではリーチのみで和了っています。役なしでリーチかけないと和了れないので、これが無双モードに入る前の、カラ松兄さんによるおそ松兄さん評でもまあ納得するんですが、ここまで、この後のおそ松兄さんのリーチ基準を考えると、単なる即リー押せ押せの麻雀ではないことがわかります。

三萬三萬四萬五萬五萬四索五索六索七索七索八筒八筒八筒ツモ四萬
2000オールは2500オールで7500。五本場。
門前ツモ、断么九、一盃口で30符3翻の五本場は5800の2500オール。

さて、次。三局連続リーチをかけたおそ松兄さん、ここでリーチをかけていません。テンパイ即リーであるはずの、「オーラス知らずのおそ松」兄さん像が崩れ去りました。ロン和了りなら3900点なので、まあ他家の状況にもよるのですが、わたしなら絶対リーチをかけます。親ですし、連荘狙いならたとえ終盤だったとしてもリーチをかけるべきところです。しかしおそ松兄さんはリーチをかけていない。なぜか。3900点の和了りでも、確実に稼ぎにいく、ということだと思います。出和了り3900の手をリーチをかけないということは、無双モードに入ったおそ松兄さんはリーチをかける基準をかなり厳しめにしている=テンパイからの連荘だけが狙いなのではなく確実な和了りを目指している、テンパイ即リー全ツッパの「オーラス知らずのおそ松」とはもうまったく別人だということだ。一発や裏ドラ狙うよりも、他家の手止めよりも、確実に和了ることに重きを置いている。このおそ松兄さんは、“頭を使って”“勝ちに”、点数を稼ぎにきている、和了り続けて、弟たちを圧倒することを至上の目的としている……

次局:テンパイ
和了らずにテンパイで連荘になることもあるんだ……というわけで、このおそ松兄さんがオカルト的な能力を発揮しているわけではない、考えて打って、和了りを目指してきちんとゲームをしていることがわかります。

南發發發北北北五索六索七索一筒二筒三筒ツモ南
1300は2000オールで6000。ということは七本場。
門前ツモ、發、40符2翻の七本場は3900の6000。

ここでもおそ松兄さんはリーチをかけていません。出和了りなら2400の手。しかし七本場にもなると積み分だけで2100点になるので、合計4500です。ここから推測するに、おそ松兄さんはおそらく3900あたりを目処に、リーチをかける・かけないの判断をしているんじゃないでしょうか。これはカラ松兄さんから全ツッパと言われた、カンチャンペンチャンはもちろん単騎の即リーも厭わないと言われた人物だとは考えられない低め、厳しめの基準です。わたしならリーチかけるし、連荘が続いているなら調子づいてリーチかけたくなるところだろう……なにより、ここまで連荘している親なら、リーチをかけるだけで他家の手止め効果があるのに。リーチをかけないおそ松兄さん。もう「オーラス知らずのおそ松」はここにはいません。ああ……

次局、声のみ。「ロン、9600は12000」ということは八本場。
100符ということはまあないだろうと思うので、50符3翻でしょう。
ここに来てまた高めの手を和了っています。
※追記:トド松チョロ松はリーチがかかったら振り込まないと思うので、そしてカラ松兄さんは振り込むのではなく「ツモられ貧乏」なので(そのあたり、カラ松兄さんも計算してやってる感じがあるよね……)、黙聴の門前ロンで和了ったんじゃないかなあ……

次局も声のみ。「ツモ、4000オールは4900オール」ということは九本場。
親の満貫です。
九本場に来て満貫です。この時点でおそ松兄さんの点数は103100点。もう誰か一人は確実にマイナスになっています。


はい、アニメで描かれたのはここまででした!!

……わたしこれ、松野家麻雀で無双モードに入ったおそ松兄さんは、絶対攻撃時間に入った十四松のようになんらかのオカルト的存在になっているのではないか、和了り方にもそれが表れているはずだ、だったらおそ松兄さんはどういう能力を持っているのだろう、気になる!!と思って始めたんですが、ここまでやってわかったことは、これ、かなり“頭を使って”やっているひとの和了り方だ……ということです……麻雀マンガにありがちな異能力っぽい感じが全然しない……いや、描かれた八回のうち、五回がツモ和了り、しかも七対子のときはドラドラ、三本場では裏ドラが乗っているので、かなり運も味方しているんですよ。しかしまず根本に、「頭を使っている」というのがある。バカヅキしているだけの、運だけで勝っている感じではない。リーチの基準を3900かそれより低く設定して和了りを目指すって、もうその時点でそれまでのおそ松兄さんとはまったく別人だろう……

無双モードのおそ松兄さんの和了り方になんらかの規則性を見いだせれば、と思ったんですが、つねにドラが集まったり染まっているわけでもない、鳴き麻雀をするはずのトッティやデジタルのチョロ松(しかも両者本気を出しているはず)よりも早く和了っているという点でかなり頭を使っている、そして同時に流れとツキが彼に味方している、が頭で計算している部分が圧倒的に大きい、という結論に達しました……

もともと『咲-saki-』で言うならおそ松兄さんは誰タイプかなあ?と思いながらやってたんですが、強いていうなら姫松高校の末原さんタイプなんじゃないだろうか……十四松のようなオカルトタイプの異能力者ではなく、凡人が努力と研鑽を重ねてたどり着いた境地、そしてそれに牌が応えているという風に感じます……ああおそ松兄さんよ……

※追記
また勢いだけで書いてしまったので追記を……最初、メモったおそ松兄さんの手牌をざっと見たときに、この連続和了っぷりに「これはチョロ松の理想とするデジタル打ちを極めたらこうなるんじゃないか?」と思ったんですけど、この無双おそ松兄さん、デジタル打ちよりよっぽど厳しい基準で打ってると思うんですよね。河が見えない、何巡目かもわからない、他家の状況もわからないので、この和了り牌だけで断言はできないんですが、トッティは他家が張ったらベタオリ、そしてデジタルのチョロ松は他家がリーチをかけてきた時点で二向聴ならばオリるはずなので、親の連荘狙いなら、手止めのためだけにでも、テンパったらリーチすると思うんですよね、デジタルの場合。特に七本場なんかは、デジタル打ちで早い段階ならリーチをかける場面じゃないかと思います。しかしおそ松兄さんはリーチをかけていない。デジタル打ちより基準を厳しく設けていることになります。
オカルトを信じないデジタル打ちより、さらに厳しいおそ松兄さん無双モードの打ち筋。
ただだらだら連荘すればいいというのではなく、明確に“勝ち”だけを狙いに、弟の息の根を止めにいっている。
デジタル打ちによる牌効率よりも、オカルトじみた「ツキ」や「流れ」よりも、なにかもっとべつのものを確信として持って打ってるんだな、という気がしてなりません。それはここでおれは勝ち続けなければならない、という鋼の意志なのではないか、そしてそれに牌が応えて実際に連荘が続いていることがなんとも……というのがわたしの感想です。意志というか、執念というか、なんだろう……

これ、「おそ松兄さんが本気出したらだれも敵いませんでした!」ということだけを描きたい場合、べつに満貫跳満の連発でもよかったと思うんですよ。打ち筋は「全ツッパ」「押して押して押しまくる」と言われていたおそ松兄さんのまま、ツキがすごく流れ込んできました!っていう描写でも、べつに大きな問題はないんです、ギャグとしては。逆におそ松兄さんが振り込んだときなんかは、「ロン!12000!」「ロン、12300!」「ロン、18000」って、「ひたすら高い手に振り込んじゃいました!」という描写をされているし、十四松の絶対攻撃時間も「ツモ!」を繰り返すだけの描写だったので。
それをせずに、牌と和了り方を細かく描き、ここにいるおそ松兄さんは「オーラス知らずのおそ松」ではない、頭を使って、ただひたすら“勝ち”を見据えた打ち方をしている長男なのだと示してくるあたり、ほんとうに、ほんとうにおそ松さんは……という感じです……


※※さらに追記
あらためておそ松兄さんの和了り方を見返していたのですが、描かれた八回中、五回がツモ和了り、三回がロン和了り。五回ツモ和了りするだけの運が、というか場が彼に味方しているということなのですが、残り三回をロン和了りっていうのもすごいと思うんですよ。なぜならトッティは他家が張ったらベタオリ、チョロ松はデジタル、そしてカラ松兄さんは役満を狙っていてめちゃくちゃな捨て牌をするように見せかけて、実は和了らないだけで普通の手作りをしている、そして「ツモられ貧乏」であり、振り込んで飛ぶのではない=守備は堅い。この三人から和了るのって、かなり難しいことだと思うんです。で、ロン和了りをした一本場、四本場を見ると、特別待ちがいいとか多面張であるというわけではない=単に和了り牌の残り数だけを考えているのではない、なのにロン和了りをしている。これはかなり頭を使って、もう「こいつならこれを出すだろう」と直撃狙いくらいの気持ちでいったのではないかなあという感じがします……
麻雀にはそのひとの人生観が出るとはよく言いますが、おそ松兄さん……